クリムゾンタイド
メートルとフィートで議論したように英語の物語りを日本語に訳する時に単位が異なるものをどちらの表記にするのが適切なのかについて再び考えてみたい。「クリムゾンタイド」という潜水艦の映画を見た。潜水艦の映画は割と好みである。この映画も面白かった(ただ、「真夏のオリオン」はという邦画まったくいただけなかった)。潜航深度の表記に、映像ではフィートが表示されているのに字幕ではメートル表記となっていた。これには強烈な違和感があった。映像では深度のモニターにフィート表示されているのに、字幕ではそれとは異なる数字(メートル換算された数字)が表示されているのだ。この場合、大体何フィート潜れば(浮けば)何ができるのか、例えば魚雷が打てるとか潜望鏡が使えるとか、が重要なのであって、具体的な深さを知りたいのではない。
12 angry menは好きな映画の一つである。論理が優先されるこういう物語を私は好む。この映画の中で、ベッドから玄関ドアまで歩く速さについて語る場面がある。部屋の図面が用意され、ベッドの場所から玄関ドアまでの距離が記載されている。アメリカ映画なのでもちろんフィート表記である。こちらの場合は、メートルで字幕を入れる方がいいと感じる。
両者ともにあくまでも個人の感想なので、まったく逆に思う人もいるだろう。私たちは好き勝手なことを言うだけでいいが、両方の意見を考えながらどちらか一方に決断しなければならない翻訳者の苦労も並大抵ではないのだろうなあ。