カレー

散歩の帰りに綺麗なスジ肉を見つけたので買ってきた。近くに綺麗な牛スジ肉を置いている公設市場があって、たまに覗きに行く。ということで、唐突だが、先日ミートソースについて書いたのでカレーについても少し書いておこう。工程はミートソースとほぼ同じである。野菜クズが溜まってきたらそれらをフードプロセッサーで砕いて水で煮込んでペースト状にする。これで野菜の甘みと旨みが水に溶け出す。「水で煮込む」とはいうもののただの水は使わない。ミートソースはトマトジュースで煮込んだのだが、カレーの場合はスジ肉を下茹でした茹で汁である。

スジ肉は大体スジ煮込みにするのだが、綺麗なスジは煮込みに使って、細かい肉片はカレーに入れる。スジ肉とは、基本的には肉を掃除した後に出るクズである。スジ(腱・コラーゲン)の部分を売り物の肉から綺麗に取り去った残りなので「スジ肉」と呼ばれる。下茹でしたら透明になるコラーゲンの比率が高い部分が主な構成要素となる。ただ、掃除の時には腱の部分だけではなく、肉を成形(掃除)する過程で生じる「ゴミ」も入ってくる。大きさ的には「コマ肉」くらいだろうか。

スジ煮込みは白ダシ・醤油・味醂・酒で柔らかくなるまで煮込むのだが、煮込む前に下茹でをする。いつも大量に処理するので下茹でが終わると茹で汁はとろみがついてくる。捨てるには忍びないほどに肉の旨みが溶け込んでいる。これを使うだけで、ブイヨンだのコンソメだのといった市販の「スープの素」を凌駕する味わいになる。この茹で汁で「クズ肉」と「野菜クズ」を煮込む。

カレー粉は、市販の粉のカレー粉に好みのスパイスを混ぜて使っている。好みのスパイスと言ってもその時にあるものを使うだけなので、いつも同じものが入っているわけではないのだが、丁子・クミン・コリアンダーシードは入れておきたい。カレーといえばガラムマサラだろうが、これはどっちでも良い。あれば入れるが、なくてもまったく構わない。ミートソースと同じで、野菜の煮込み汁にしっかりとろみがついているので小麦粉などは入れない。玉ねぎも、多くの人はじっくり炒めて飴色にするそうだが、私の場合はそのまま砕いて煮込むだけである。ただ煮込むだけなので手間はかからない。一般的なカレーと違うのは、じゃがいもが入らないことだろうか。煮込み料理にじゃがいもを入れると、どうしても焦がしてしまう。だから、ウチでじゃがいもはポテトサラダくらいにしかならない。あ、ビシソワーズにもするかな。ジャガイモの定番であるカレーやシチューには入れないのだ。