松山出張

松山に行ったのはもう先週のことですね。

中央高校という新設(と言うには少し時間がたっている)の学校にお邪魔しました。

校門をくぐって最初にびっくりしたのは

たまたまそこにいた生徒さんから大声で挨拶をされたことです。

その後、校内でもすれ違う生徒さんから大きな声で挨拶をされました。

この学校は素晴らしい教育をしていると本当に思いました。

 

講義でもよく話しますし、コラムにも書いていると思いますが、

思考や思索の原点は言語にあると私は思っています。

言語を的確に使う能力を持たずして思考もへったくれもあったもんじゃない、

まあそういう過激なことを真面目に思っています。

敬語も授業で教わって使えるものではない。

その状況を知り、そこで使われる敬語を知り、

その二つが関連づけられて初めて敬語を使うことができる。

だから、最初は条件反射のオウムのように

とにかく繰り返し、その言葉をモノにするしかない。

これは外国語の学習でも同じことで、

文法をいくら勉強したって話せるはずがない。

その意味で、中央高校の生徒さんから受ける印象は素晴らしいものでした。

 

さて、講演ですが、時間がものすごく短かったので

話したいことの半分も話せませんでした。

半分とは、たとえば話したい項目でいれば3分の2は話せたと思いますが、

その項目ごとにゆっくりと例え話をしながら理解を深める時間がなかった。

だから、話し手とすれば「申し訳ないことをしたなあ」って感じています。

でも、生徒さんたちはずっとこちらを見て話を聞いてくれていました。

人は、分からなくなったり興味が無くなったりした瞬間に眠くなりますので、

大体顔つきと目を見ていれば退屈に感じ始めているのは分かります。

それが生徒さんたちからはほとんど感じられなかった。

彼らにもう一度ゆっくり話をしてみたいなあと心から思いました。

 

もう一時間、生物専攻の学生さんにカエルの発生の話をしました。

こちらは動画やムービーがたくさんあるので

話術がなくてもまあ惹き付けることはできます。

ただ、それ以上に食いつきは良かったようで、

これがきっかけに、何かを感じ取って頂けていたらいいなあと思います。

 

翌日は愛媛大学の学長室にいきました。

学長が知り合いであると言う理由から

あえて「学長室」なるものを覗きにいったという訳です。

で、少し待ってようやく学長室に入り話を少ししたところ

秘書の動きが慌ただしくなったあげく

「今から県知事が来るので、じゃあ橋本くんとはこれで」

「・・・・・・」

電車の時間まではまだまだあります。

時間は10時を少し過ぎたところで「どうしよう」となりました。

全国のすべてを知りませんが、城下町は大体が小さいので

かなりのところを歩いていけます。

金沢も熊本も仙台も歩くのにそれほど苦労はなかったと思います。

なので、とにかく歩きました。

一番の繁華街を歩き、まだ開店前の店が並ぶのを確かめて、

そのままJR松山駅までいきました。

で、一本前の電車に変更しましたが

それでもまだ1時間半ほどあります。

とにかくひたすら場所を変えつつ時間をつぶしました。

歩き回ってかいた汗が寒気に冷やされてからだが冷え

しっかり風邪をひいてしまいました。

帰りの電車の中でどんどん風邪が悪化していくのを感じ、

結局のところ土日はずっと寝込むはめになりました。

あそこで県知事の乱入とは・・・運がなかったなあ。