樟・槻・楊

クスノキの漢字表記は楠と樟がある。ケヤキにも欅と槻がある。ヤナギにも柳と楊がある。

関西に樟葉という駅があり、樟の意味を調べていて「へえ、クスノキなんや」と思った。クスノキは、地元に楠中学というのがあり、また楠木正成を祀った湊川神社があることから、クスノキの表記は楠だけだと思っていたから普通に驚いた。

20年以上通っていた高槻という場所の「槻」の意味を調べていて「へえ、ケヤキって意味なんや」と知った。これは黒部峡谷鉄道の終点(今は「終点」ではなくなったのかな?)は欅平(ケヤキダイラ)ということを知っていたので、これまた普通にびっくりした。

研究室にヤナギという学生がいて「楊」と表記した。この漢字は爪楊枝くらいしか知らなかったし、即席麺に「楊夫人」というものがあり、「マダムヤン」とカタカナ表記されていたので、ヤナギと発音することをこの学生の入学によって初めて知った。

おそらくこれらの知識は一般常識に属するものだろうと思うので、自分がいかに浅学なのかを思い知らされた。他の植物にも同様に複数の漢字表記があるのだろうが、知らないし、知っていたとしても今は思い出せないくらいの遠い知識だ。ただ、「形が変われば意味は変わる」ので、これらは実は違うものを指していたのかもしれない。たとえば、片方が中国からの漢字であり、もう一方が日本で生まれた漢字(国字)なのかもしれない。とすれば、たとえば日本のクスノキを「樟(または楠)」と表記し、それに近い中国の植物を「楠(または樟)」と表記していたのが時間とともにその区別がなくなったのかもしれない。実際に調べたら面白いのだろうが、未だ調べるに至っていないのにこういうブログを書くのが私の悪いところだな。