告発

兵庫県知事とPR会社社長が刑事告発を受けましたね。これはよかったと思う。

私は性格的に理屈を重んじる。過去に「論理至上主義」と蔑まれたことが何度もある。だから、理屈が通っていないことがすごく気持ち悪い。私の考えに近い理屈が良くて、私の考えに反対の理屈は悪いのではない。好まない論理展開であっても最低限のロジックが通っていれば納得する。理屈が通った上で、「まあこれくらいなら」は結果としてはあってもいいが、「まあこれくらいなら」が最初にあってはならないという面倒くさい考え方をする。この意味で、この知事さんは説明が少なすぎるように思える。

今回の告発は、論理的な気持ち悪さを払拭できるかもしれないという意味で個人的には歓迎する。テレビやネットでさまざまな議論がなされているが、いかんせんデータが少なすぎる、というかデータってPR会社社長が出した文章しかないと思うのだ。これに、想像や仮定の話を交えて侃侃諤諤の議論をしても意味がないというか、決着なんて着きようがない。知事さんを応援する立ち位置のコメンテーター(弁護側?)と知事さんの行為を咎める立ち位置にいるコメンテーター(検察側?)が、ワイドショーで自分の主張を勝手に述べているだけにしか見えない。

今回の場合、論理が成立するには前提として確かなデータが必要だと思う。一つ一つのデータを論理的に並べ替えて構築された体系的な説明がなされるべきだろうと考える。選挙前から投開票までのLINEやメールなどでのやり取りを開示すれば疑惑は晴れるだろうし、投稿されたネット動画などがどこから誰が投稿したのかを示せば、PR会社(社長)が積極的に関わっているか否かは明らかにできるのではないかと思う。いまは適法なのか違法なのかわからない。それを判断するデータもない。だから、公権力がその辺りを判断してくれるのがいいのではないかと思う。本当は、知事か会社社長のどちらかが潔白を示す直接的な「証拠」を提出すれば済むだけの話なのだろうが。