ちなみに

前回(2021年)の兵庫県知事選挙の結果を書いておこう。現知事の得票数は85万票ということで、これだけの県民に支持されたというのは間違いではない。しかし、これだけだと数字のマジックがある。まず、兵庫県の有権者数は450万人を超えるということ、前回の選挙では、当選した候補(現知事)の得票率が46.9%ということで、得票が有効投票の半分もない。しかも、投票率が41.1%ということなので、兵庫県の有権者の19.3%程度しかこの候補に投票していないこととなる。また、その時に投票した有権者が今もなおこの人を応援しているのかと考えたら、そんな人もいるかもしれないが、まあ極めて少ないだろうと想像する。

これらを踏まえて、知事が繰り返し口にする言葉を考える。それは「前回の選挙で県民の付託を受けている」からこのまま知事を務めるということだ。もちろん現行の選挙制度を考えたら知事の言うことは何も間違えていない。しかし、この期に及んでの言葉としては、その根拠は薄くて弱いと感じる。