用語の問題

学会で静岡の黒田さんと話をさせてもらいました。

いろいろと学ぶところがありすごく楽しい時間でした。

この時にも感じたことですが

こんなに狭い世界であるにもかかわらず

各々が用いる言葉の意味が微妙に、時には大きく異なっているように思うのです。

これらは、各自の立っている位置や、その現象を見る方向にも大きく依存するのですが

まったく同じ言葉を用いているにもかかわらずどうもしっくり来ないように感じます。

この感覚は私だけなのか?すごく疑問なのですが、

私以外からこのような話を聞いたことがないので何とも言えません。

 

たとえば、鹿児島の坂井さんは「中胚葉誘導などない」と言います。

しかし、学会の間中、「中胚葉誘導」という言葉があちらこちらから聞こえて来ます。

黒田さんもご自身の発表中に中胚葉誘導という言葉を用いておられました。

また坂井さんは「ツメガエルには頭部オーガナイザーしかない」とも言います。

しかし、この場合の「頭部オーガナイザー」とはBMPの阻害活性のことなので

おそらく一般的に言われる「体幹部オーガナイザー」に相当するのですが

坂井さんの論理によるとそれこそが「頭部オーガナイザー」なのだと言うことです。

坂井さんの話を聞けば私なりに納得はできます。

しかし、一般に用いられる言葉と同じ言葉を用いて異なる意味を表現されると

まともに議論などできないような気もします。

黒田さんの言う「ニューコープセンター」も私には少し「?」が点きます。

なんだか私の感じるニュアンスとは違っているような感じがするのです。

 

これらはあくまでも私を基準にして表現しているので

「彼ら」が間違っているような雰囲気の文章になっていると思いますが

彼らから見たら橋本がおかしいと感じるのでしょうし、

あくまでも相対的な議論だろうと思います。

で、一度この狭い世界の住人が集まって

言葉の再定義をし直す必要があるかもしれません。

これは真面目にそう思っています。

これは言葉の再定義にとどまらず

現象の新しい理解へと進むと真面目に思っていますが

はたしてどうなのでしょうね?