上皇后さま

今日は上皇后・美智子さまのお誕生日ですね。

以前にも書いたように、皇室に関してはたくさん書きたいことがあるのだが、たくさんありすぎて、それも多岐に渡りすぎて、私の作文能力では綺麗にまとまらない。美智子さまに関しても書きたいことはたくさんあるのだが、ここでは一点だけにしておきたい。

もう30年以上前の話だったと思うが、山形県で行われた国体の開会式に当時の天皇皇后両陛下が招かれ開会に際してのお言葉をお話しされたいた時の話。政治的思想を持った活動家の男が近づき両陛下に向かって発煙筒を投げつける事件が発生した。この際に、美智子皇后は天皇陛下の前に体を差し出した。こういう行為は咄嗟にできるものではない。常日頃から天皇陛下をお守りするという強い信念のもとで生活をされていることが瞬間的に行動として現れただけの話で、この件をしてどうこう議論することに意味はないと思う。美智子さまの尊いお考えを目の当たりにしたように感じた。もう一つ、平成の終盤の話である。陛下は心臓のバイパス手術を受けられた。大きな手術である。退院されて一週間後に行なわれた東日本大震災の追悼式への参加を陛下は強く望まれた。あれだけの大震災、その時点でも(現在においてさえも)多くの国民が辛い日常を送っており、かつ数多くの国民の命が失われたあの震災の追悼式には何があっても出席しなければならないという陛下の強い意志の表れである。当然周囲は必死になって止めたが、陛下の意思は強かったそうである。陛下は我々国民と常に一緒にいてくださった。震災以降もずっと、あのご年齢で被災地に頻繁に足を運んでくださった。国民の前でひざまずき目線を同じにして被災者の声をお聞きくださった。こういう小さなお話を書き始めると前に進まないので話を戻そう。陛下は強い意志で追悼式に臨まれた。実際に立って歩くのさえも大変な状態であったと伝えられているし、大手術の直後なのだからそれは容易に想像できる。その際に美智子皇后陛下は和服をお召しであった。喪の席に和服で臨まれることは通常ではないらしい。実際に天皇陛下も洋装であった。美智子さまは当時の天皇陛下の体調を危ぶみ、陛下に何かあった時に支えるのはご自身しかいない、その際にはハイヒールでは陛下の体を支えきれないとお考えになり和装で草履を選ばれたと聞く。格好のいいことを言うのは楽だ。しかし、それを実践することは難しいし、だからこそ尊い。

美智子さまは卒寿を迎えられたとのこと。大腿骨骨折という大きなお怪我をなされたが、術後の経過も順調だと報じられている。上皇さまとご一緒にいつまでも元気で長生きをしていただきたいと心からお祈りする。