熊鈴

現役の頃、イモリを材料に研究をしていたので20年くらいイモリ採りに出かけていました。そのときに熊鈴を鳴らしながら山の中を歩き回っていたのですが、このところのクマ騒動を見ていて、「熊鈴って本当に効果あるの?」って思うようになってきています。というか、「むしろ逆効果ではないのか?」とすら感じています。

熊鈴って、「人間は怖い」と熊が思っていることが前提にあるはずです。「人間は怖い」から「ここに人間がいるよ」と知らせるために熊鈴を鳴らすわけで、「人間は怖くない」「人間は弱っちい」と熊が思っていたら熊鈴の効果はないってことに、理屈では、なります。熊が人間のような学習をするかどうか知りませんが、「人間は怖くない」と学習したら、人を見て逃げることなどなくなり、人里に降りてくることに抵抗はなくなるでしょう。たまたま人家に入った熊が野菜や果物・肉・米などの穀物などなどがあることを学習したら、積極的に人家に入ろうとすることは間違いないと思います。極論かもしれませんが、人を食べた熊は人を餌だと学習するわけで、そんな熊が人の気配を察したら「餌がある」と余計に寄ってくるのではないかとすら思います。実際にそんな熊が存在していた事実もあります。

だから、人里に現れた熊、特に人を襲ったり人家に入り込んだりした熊、人が怖くないことを学習した熊は駆除しなければならないのではないか、そう思います。それから、小学校で子どもたちに熊鈴を支給するという行為も、それが直ちに否定されるものではないにしても、「熊鈴を配ったから安心」という感じの思考停止に陥らないように気をつけなければならないと感じます。